机の空きスペースや本棚の隙間にすっぽりとハマる小型PCが欲しいと思ったことはありませんか?そんなときに便利なのがMini-ITXマザーボードです。
今回は、小型かつ高性能PCの自作が実現できるMini-ITXの魅力をご紹介します。
ATXの約4割!圧倒的な省スペース性
Mini-ITXの魅力は何といってもその小ささ。表面積はATX(縦24.4cm×横30.5cm)の約4割しかありません。サイズで言うならば「17cm×17cm」です。
このサイズならばケースも非常に小さくでき、設置場所の自由度が高くなりますよね。グラフィックボードとドライブを搭載せず、なおかつ電源も小型のものを使用すれば、ちょっと厚めのDVDプレイヤー位にまで省スペース化が可能です。
最近ではCPUの内蔵グラフィックス機能がかなり向上していきているため、高い3D描画能力を必要としないのであれば、このサイズでほとんどの作業が可能なことも珍しくありません。
消費電力が小さく、発熱も少ないCPUならファンレス化によって無音PCにすることも可能です。ただし、「ゲーム用PCのファンレスはおすすめしません」。
インテリア性に優れるMini-ITXケース
Mini-ITX対応のケースは形状が様々で、テレビ台にすっぽりと収まるDVDプレイヤーのような横置きタイプから、正方形のハイスペック対応タイプまで存在します。
また、外観もオシャレでインテリアとしても違和感がないようなデザインが多く、PC特有の野暮ったさを嫌う人にはピッタリと言えるでしょう。
小型なほうがデザイン性が高いことが多いだけでなく好きな場所に置けるメリットがあります。「ゲーム用PCの小型と大型のメリット・デメリットを比較」ではさらに踏み込んだ解説をしています。
CPUクーラーやグラボの”座高”に注意
Mini-ITXを使った自作で気を付けたいのが、CPUクーラーやグラフィックボードの高さ。いわゆる「座高」ですね。ケースの蓋が閉まらなかったり、メモリスロットやドライブなどに干渉したりといったトラブルのもとになりがちです。
特にグラフィックボードの大きさが、Mini-ITX対応ケースの大きさを決めてしまうことが多くなります。基本的に高性能なほど大きくなるので「ゲーム用PCのグラフィックボードの選び方」で性能の違いを把握しておきましょう。
動画再生や軽いブラウジング、文書作成などがメインのHTPCならば、AMDの統合グラフィックス「APU」が搭載されているモデルを使用してバランス型にするなどの対応がおすすめです。
もちろん、Intel製のCPUでも内蔵グラフィックスの性能が向上しているため、動画再生程度ならば全く問題ありません。
スマートかつインテリア性に優れたMini-ITXサイズのPCを作るには、いかに内蔵グラフィックスを活用するか、という点がポイントになるのではないでしょうか。
ただし、Mini-ITXでいたずらに高性能を追求するとパーツの単価があがり、結果的に高くつく場合があります。例えばメモリスロットはどんなに頑張っても2スロットが限度のため、32GBメモリを搭載したい場合は、16GBを2枚刺ししなくてはなりません。
メモリスロットを4枚備えているMini-ITXマザーボードもありますが、こちらもマザーボード自体が高額です。
さらに、冷却や電源の問題も発生しがちですから、最新世代のパーツで高性能PCを組みたい場合は、Micro-ATX以上の規格で自作することも検討していきましょう。