ゲーム用PCを静音化させるための一番の方法は各パーツをファンレスにすることです。ケースファンをなくし、グラフィックボードもファンレスにすると、あとは電源とCPUのファンくらいしか音の発生源がなくなります。
音の発生源が減ることで一気に静かなゲーム用PCになるわけですが、私はファンレスにしてまで静音化すべきではないと考えています。
いえ、普通のパソコンならいいです。パーツにそこまでの負荷はかからないですから、グラフィックボードをなくして、ファンレスケースにするという手もあるでしょう。
でもゲーム用PCにはグラフィックボードは欠かせないパーツです。グラフィックボードがなくなったら、それはもうゲーム用PCではありません。
ケースファンは最低でも2個必要
デスクトップのゲーム用PCには必ずケースファンが2つ以上ついています。前面のフロントファンと背面のリアファンです。ハイスペックモデルになるとフロントファンが2つになったり、トップファンが加わります。
ケースファンは多ければ多いほどゲーム用PC全体の温度を下げてくれます。しかしそれでもゲーム中はCPUやグラフィックボードの温度が80度近くまで上昇します。低くても60度くらいです。
CPUやグラフィックボードは90度を越えると危険水域です。100度に達すると自動的に性能を落として温度の上昇を防ぐので、ゲーム用PCとしての価値が低くなります。最悪の場合、熱暴走でパソコンが落ちたりパーツが壊れたりします。
だからそもそもゲーム用PCでケースファンをゼロにするなんて無理な話なのです。ケースファンがなかったらそれだけでCPUやグラフィックボードは90度を越えます。
サイドパネルを開けてしまうという手もありますが、ホコリがどんどん入ってきてパーツが壊れやすくなるのでおすすめできません。
ファンレスのグラフィックボードは低性能
ではケースファンはしっかり2つ以上付ける代わりに、グラフィックボードをファンレスにするのはどうでしょうか。確かにグラフィックボードにはファンレスタイプのものもあります。
しかしファンレスが通用するということは元々温度が上昇しにくい程度の性能しかないことを意味しています。3Dゲームを動かすためにはそれなりの性能が絶対に必要なので、ファンレスのグラフィックボードだとカクカクするゲームがほとんどです。
軽いゲームならファンレスのグラフィックボードでも通用します。とはいえファンレスは馬鹿みたいに温度が上がっていくので、グラフィックボードをファンレスにした代わりに、ケースファンを増やしてあげないとあっさり熱暴走で性能が落ちます。
つまりゲーム用PCをファンレス仕様にしようと思うのはやめておいたほうがいいです。特にBTOゲーム用PCでは不可能です。自作ですべてのパーツを調整するくらいの気概がないと不可能です。
ある程度静音仕様にしたいなら、静音ファンにすることをおすすめします。ケースファンは静音仕様に対応していますし、「CPUファンの選び方」「CPUグリスの選び方」で書いたようにCPUファンやCPUグリスを高性能にしてあげることで、音をかなり抑えられますよ。