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動作クロックとCL、メモリの設定で重要なのはどちらか

メモリのOC、高速化によってゲーミングPCのパフォーマンスは変化します。そしてメモリの高速化で重要な項目と言えば「動作クロック」と「CL」の設定でしょう。

この2つがメモリの高速化をひっぱっており、PCのパフォーマンスを左右します。では、一体どちらが効果的なのでしょうか。

CL設定と動作クロックが異なる2メモリで比較

動作クロックとCL設定の効果を、以下2つのメモリで比べてみるとしましょう。

・DDR4-2133(CL…15-15-15-36)
・DDR4-2666(CL…19-19-19-43)

この2つについて「帯域(伝送速度)」「レイテンシ(応答速度)」の2視点から検証すると、以下のようになります。※SiSoftware Sandra Platinum v24.41を使用。

CL設定を固定して動作クロックを変化させると?

DDR4-2666のメモリ2枚を、同じCL設定(19-19-19-43)にし、動作クロックだけを変化させた場合の結果です。

帯域

DDR4-2666(CL…19-19-19-43)…57.74GB/s
DDR4-2133相当にクロックダウン(CL…19-19-19-43)…47.88GB/s

元がDDR4-2666のメモリとはいえ、動作クロックをDDR4-2133にダウンさせてしまうと実に20%強も伝送速度が落ちてしまいます。次にレイテンシです。

レイテンシ

DDR4-2666(CL…19-19-19-43)…33.2nsec
DDR4-2133相当にクロックダウン(CL…19-19-19-43)…36.8nsec

こちらは約11%の遅延増大となり、クロックダウンによって応答速度も低下することがわかります。

動作クロックを固定してCLを変化させると?

さらに同じ規格のメモリを動作クロック固定(DDR4-2133相当)にし、CLのみを変化させると以下のようになります。

帯域

CL19-19-19-43(DDR4-2666相当)…47.34GB/s
CL15-15-15-36(DDR4-2133相当)…48.22GB/s

レイテンシ

CL19-19-19-43(DDR4-2666相当)…36.2nsec
CL15-15-15-36(DDR4-2133相当)…33.8nsec

CLを変化させた場合は、帯域で約2%、レイテンシで約7%の速度差が生じています。CL設定も詰めていくと十分にメモリ高速化が図れることがわかりますね。

しかし、やはり動作クロックの影響よりは軽微で、動作クロックが早いメモリを買ったほうがお手軽に高速化を実現できるという結果になりました。他にもメモリの選び方の要素として基盤やメーカーがあるので「メモリは基盤とチップのメーカーが重要!」も一緒に確認してください。

ゲーミングPC初心者ならOCメモリがおすすめ

このように動作クロックとCL設定では、動作クロックを挙げたほうがメモリ高速化に対する影響が大きいことがわかります。また、CL設定を詰めるにはある程度の経験が必要で、電圧調整もしなくてはいけません。初心者には少し敷居が高いですね。

したがって、最初から動作クロックが高いメモリを買っておき、それでも満足できなければCL設定を詰めてレイテンシ改善を図るといった方法が良さそうです。

もちろんCL設定でもしっかりと効果はでますから、メモリ高速化の限界を目指す価値はありますよ。ただし、成功したとしてもnsec単位(ナノ秒=10億分の1秒)単位での改善になるため、人間が体感できることはまずありません。この点に注意しながら設定を追求していってください。