これまで日本では、電気代が高いために、暗号通貨マイニングで利益を出すことが難しい環境でした。しかし、暗号通貨全体の値上がりによって、マイニングが再注目されるようになっています。
ゲーミングPCによる片手間のマイニングでも、専用のマイニングリグを使った場合でも、利益ができるかどうかは電力管理にかかっています。
GPUパワーの適正値は「5割~7割」程度
暗号通貨マイニングで利益を出そうと考えるなら、GPUの電力管理をしっかりとやる必要があります。フルパワーでマイニングすれば確かにハッシュレートは上がり、多くの通貨を獲得できるでしょう。
しかし、それ以上に電気代がかかってしまい、結局利益が薄いという結果になりかねないのです。
例えば、モナコインをGTX1060 6GB版でマイニングしたとき、フルパワーでは24MH/s~27MH/s程度のハッシュレートです。しかしこの状態では消費電力が120W付近に張り付いてしまい、電気代が嵩みます。
また、マイニングは基本的に放置で作動させておきますから、フルパワーで24時間稼働という状態はGPUの寿命を縮めることにも繋がるわけです。
そこでPL(Power Level)を調節して5割から7割程度で動作させます。前述のGTX1060 6GB版であれば5割から7割にPLを落としてもハッシュレートが5割や7割に落ちるわけではなく、8割程度をキープできるわけです。
電力的にこちらのほうが効率が良く、冷却やGPUの寿命の面からも有利になります。
GPUのPLを管理する簡単な方法
ではGPUのPLをどうやって変更するのでしょうか。普段ゲームをしている間は、それほどPLを意識していないというゲーマーも多いでしょう。
GPUのPLを変更・管理する最も手軽な方法は、MSIのOCソフトウェア「AFTERBURNER(アフターバーナ)」で調節することです。
AFTERBURNERはMSIの公式サイトからダウンロードし、GPUのクロックや電圧を変更したり、動作状態をモニタリングしたりできます。
MSI製のグラフィックボード以外にも使えるので、初心者がGPUのスペックを調節するには最適のツールのひとつでしょう。
マイニングはあくまでも趣味程度がおすすめ
暗号通貨マイニングは、しっかりと電力管理すれば初心者でも利益を出すことは可能です。しかし、マイニングだけで生計を立てていくことは難しいので、まずは片手間で初めてみましょう。
特にGTX1060やGTX1070以上のグラフィックボードを搭載しているゲーミングPCなら、寝ている間や放置している間に1日数十円程度は稼げるはずですから。
本格的にマイニングで収益を上げているのは「マイニングリグ」を使った中級者以上か、ASICマイニングを行っている事業者です。
あくまでもゲーミングPCの余剰パワーで、気に入った(値上がりしそうな)暗号通貨をコツコツを集める程度が一番楽しめるかもしれません。
ゲーミングPCを組むついでに、将来のパーツ台を少しでも稼いでおくというイメージですね。