GTX1080Tiは、nVIDIA社が「NEW KING」という触れ込みで売り出したGTX1080をさらに発展させたハイエンドグラフィックボードです。
純粋な性能では「Titan XP」に抜かれてしまいましたが、4K環境でゲームを楽しむなら、2017年7月時点ではベストバイに近い製品といえるでしょう。
しかし2スロット占有型の分厚く長いガタイが少々気になる方も多いはず。ところが水冷化によってGTX1080Tiも1スロット化が可能になったのです。
薄型1スロット仕様のGTX1080Ti
秋葉原にあるPCパーツショップ「オレオスペック」は、2017年6月末に1スロット仕様のGTX1080Tiを発売しました。その名も「GTX 1080 Ti Watercool Edition」。
オレオスペックは秋葉原の中でも有数の品ぞろえを誇るパーツショップで、冷却関連には定評があります。
今回1スロット化されたGTX1080Tiは、オレオスペックが独自に構築した水冷ブロックを搭載しています。分厚いヒートシンクとファンをとりはずしたことで薄さを実現しているのです。
もちろん、水冷化によって冷却性能は十分保たれています。リファレンスモデルをベースにして水冷ブロックを取り付けるため、完全受注生産のようですね。
GTX1080Tiの分厚さやファンの音が気になっていた方には朗報といえるでしょう。現状の最高峰に近い環境がほぼ無音で実現できますからね。
>> グラフィックボードのリファレンスモデルとオリジナルモデルの違い
一部から根強く支持されるグラボの水冷化
グラフィックボードの水冷モデルは、それほど多くありません。そもそも水冷は敷居が高く、自作PC歴が長いベテランでも敬遠することが多いからです。
その理由として水冷ユニットの増設や、液漏れが発生しないように小マメなメンテナンスが必要なことが挙げられるでしょう。
空冷と比較すると、明らかに手間が多いわけですね。また、価格もかなり高くなります。しかし、こういったデメリットを乗り越えてでも成し遂げようとする固定ファンがいることも事実です。
なぜなら、液体による冷却はムラがなく、なおかつ負荷をかけた状態でも高温になりにくいからです。また、外気温に影響を受けにくいというメリットもあります。
空冷方式の場合、どうしても取り込む空気自体の温度が高くなると、冷却能力は落ちていきますからね。
冷却性能に特化したい人向け
先ほど水冷化によって静穏性が高くなると述べましたが、これはあくまでもパーツ単体レベルでのこと。システム全体としては、ポンプやラジエーターの音が混ざるため音が大きくなります。
そのため、水冷化は冷却性能に特化したいユーザー向けの領域といえるでしょう。高負荷かつ長時間の使用でも性能を低下させたくないのであれば、水冷も視野にいれるべきかもしれませんね。