2017年時点のメモリはDDR4が主流ですよね。新品で売られているメモリの大半はDDR4です。しかし、DDR3もまだまだ現役。
正直なところ、よほどハイエンドな環境でなければ体感できる差はないですから。
そんなDDR3にはDDR3Lという規格もあります。DDR3とDDR3L、一体どんな違いがあるのでしょうか。
DDR3の低電圧版「DDR3L」
DDR3Lは、簡単に言うとDDR3の低電圧版。少ない電力で動作するメモリと考えてください。正式名称は「DDR3 – Low Voltage」。
メモリには「動作電圧」があり、この動作電圧を満たしていることが正常動作の条件になります。
DDR3の動作電圧は1.5V。一方、DDR3Lの動作電圧は1.35Vです。消費電力は動作電圧の2乗に比例するため、動作電圧が低いDDR3Lのほうが省電力なわけですね。
電力量に制限があるノートPCなどで採用される傾向にあります。実はDDR3にはさらに低電圧なDDR3Uという規格があり、こちらは動作電圧が1.25V。
しかしDDR3Uは、通常デスクトップPCのパーツとして使用されることはないため、今回はDDR3とDDR3Lにフォーカスします。
DDR3とDDR3Lの混在で正常動作は可能か?
結論から言うと「ケースバイケース」です。マザーボードが1.5Vと1.35V両方に対応していれば、混在させることは可能でしょう。
実際に私も、DDR3メモリ8GB+DDR3Lメモリ8GBという環境を試したことがありますが、動作電圧1.4V程度で安定していました。
DDR3とDDR3Lは機能的には互換性があるので、電圧の問題さえクリアできれば混在は可能だと考えて良いでしょう。
しかし問題は、1.5Vか1.35Vのどちらか片方のみに対応している場合です。こういった環境では無理に混在させると、どちらかのメモリが動作不良を起こし、ブルースクリーンやフリーズの原因になります。
特にメモリは電圧が低くなると「KP41病」の原因になることもあり、不正なシャットダウンを引き起こす可能性が出ますからね。(KP41病とは?⇒過去記事などへリンク)
省電力な環境は一般的に「電気代の節約になる」と考えられがちですが、規格をバラバラだったり電源の質が悪かったりと、環境が整っていなければ不安定さの原因になるのです。
DDR3&DDR3L両対応のメモリがおすすめ
2017年9月時点では、DDR4よりもDDR3(DDR3L)のほうがやや割安です。また、DDR4未対応のマザーボードへメモリを増設する用途でも、まだまだDDR3は現役でしょう。
動作電圧が原因で不安定な状況に陥らないためにも、DDR3&DDR3L両対応のメモリ(1.5V&1.35V両対応)を購入しておくと良いでしょう。
私も両対応のDDR3Lメモリを購入し、DDR3メモリと混在させていますが何ら問題ありません。ただし、メモリオーバークロックなど激しく電圧を上下させる場合は、かならず規格を統一してください。
動作電圧の違いから耐久性にばらつきが生じ、故障の原因になりますからね。