初めて自作PCを組もうと思った時に困るのが、マザーボードの選び方。CPUやグラフィックボードの選び方はわかるものの、マザーボードや電源といったパーツの選び方はなかなか分かりにくいのではないでしょうか。
今回は、マザーボードの選び方を極力わかりやすくお伝えしていきます。
マザーボードを選ぶ基準
マザーボードの選定基準は概ね以下のとおりです。
PC本体の大きさにあった基板サイズ(規格)のマザーボードかどうか
マザーボードは、大きく4つの基盤サイズ(規格)で分けられています。まずは組むPCの大きさを決め、ケースを決め、マザーボードの規格を決めると良いでしょう。
マザーボードの規格と対応しているケースは以下の通り。
- Extended ATX(E-ATX) → フルタワー
- ATX(エーティーエックス) → ミドルタワー ~ フルタワー
- Micro-ATX(マイクロ・エーティーエックス) → スリムタワーなど小型
- Mini-ITX(ミニ・アイティーエックス) → キューブタイプやベアボーンなど超小型
上から順に大きいサイズで、規格によって搭載できるケースが異なってきます。
拡張性は控えめでいいので、コストを抑えたい場合などは、あえて小さい規格のマザーボードを選ぶ場合もあります。その際は、必ずケースとマザーボード規格が対応しているかどうかを調べるとよいでしょう。
搭載するCPU、用途にあったチップセットかどうか
次は、搭載するCPUにあったマザーボードを選びましょう。現在の主流はIntel CPUかAMD Ryzenですが、Ryzen搭載PCを組みたい場合、AMD Socketが搭載されているマザーボードでなければRyzenを積むことができません。
たとえば、「AMD Ryzen 1800X」を搭載したい場合、マザーボードのソケットはAMD Socket AM4、チップセットはハイエンドモデルであるX370を搭載したマザーボードが必要になります。
Intel CPUか、AMD CPUかで対応するマザーボードは異なる、ということを覚えておくと良いでしょう。また、マザーボードのページに対応CPUなどが記載されている場合がありますので、購入予定のマザーボードのページはチェックすることをおすすめします。
拡張性(ポートやメモリ、コネクタの数)が用途を満たせるかどうか
規格やチップセットの選定が終わったら、コネクタ数を見ていきましょう。
- SATA端子数(SSDやディスクドライブ等、ドライブベイを接続するのに必要な端子)
- SATA Express、M.2コネクタの有無(PCI-Express接続による高速ストレージ化ができるかどうか)
- メモリの拡張性(ゲーミング用途なら最低4スロットあると良し)
- AMDの場合、AMD APUに対応しているかどうか
上記、必要用途に合わせて考慮していくと良いでしょう。SATA端子数は、通常用途であれば5つもあれば充分ですが、バックアップ用にHDDなどを接続する場合、7~8つ程度あれば不足しません。
また、AMD Ryzenを搭載する場合、AMD Socket FM2+(APU)に対応しているかどうかも見ておくと吉。
CPU周辺のスペースをチェック
また、重要なのがCPU周辺のスペースです。このスペースが狭いと、大きなサイズのCPUクーラーが搭載できなかったり、クーラーのヒートシンクが鑑賞してしまったりなど、クーラーの選択肢が狭まり、排熱に問題が発生する場合があります。
基盤サイズが小さいマザーボードの場合、この辺りをあまり考慮されていないモデルの場合がありますので、ある程度のスペースがあるかどうかは必ず確認しておくようにするとよいでしょう。
背面、前面の端子の数
USB端子やHDMI端子、LAN端子など。こちらもどういったデバイスを使うかで変わってきますので、端子の数が充分なものを選ぶとよいでしょう。近年は、普及が急速に進んできたUSB-TypeC端子があるものや、キーボードやマウスに使うPS/2端子やプリンタに接続するシリアルポートを搭載しないモデルも増えてきています。
もし、こうした端子が必要な場合、搭載されていない場合があるということを頭に入れて端子数をチェックするとよいでしょう。
「ASUS」「msi」「ASRock」などブランドで選ぶべきか否か?
ここまで選び方を紹介してきましたが、実はもう一つ「ブランド」で選ぶという方法があります。ですが、この方法はオススメできません。
なぜなら、マザーボードという製品は、一部を除き同じチップセットでそう大幅に製品仕様が変わってくるわけではないからです。搭載されているチップセットが同じであれば、大まかな性能はほぼ変わらないといって良いでしょう。
そのため、ブランドによる安心感を理由にマザーボードを選ぶよりは、上記の性能を比較・検討して選定したほうがよっぽど後悔のない選択ができるかと思います。