nvidiaの新GPU「Volta」のニュースが徐々に出てくるようになりました。2017年の主力であるGTX1000シリーズから一体どの程度進化するのか、楽しみですよね。
そこで次世代GPU「Volta」の性能やリリース時期について考えてみます。
Volta世代の新GPU「Tesla V100」
nvidiaの新GPUは「Tesla V100」として既に発表されています。またスペックも一部公開されていて、次の通りです。
- CUDAコア数…5120
- トランジスタ数…210億
- ブーストクロック…1455MHz
- テクスチャユニット数…320
- メモリ…HBM2 16GB(4096bit 900GB/s)
- TDP…300W
ちなみに2017年現在の最高クラスGPU「GTX1080Ti」のスペックは以下の通りです。
- CUDAコア数…3584
- トランジスタ数…120億
- ブーストクロック…1582MHz
- テクスチャユニット数…224
- メモリ…GDDR5X 11GB(352bit 484GB/s)
- TDP…250W
GPUの性能を決定づけるCUDAコア(シェーダープロセッサ)数やトランジスタ数がかなり進化していますね。
また、テクスチャユニットも増えているため、総合的な処理能力はかなり向上しそうです。さらに注目すべきは新メモリ技術「HBM2」。
Tesla V100の特徴ともいえる技術です。
HBM2とはどんな技術か?
HBM2は新しいメモリアーキテクチャとして注目されています。HBMとは簡単に言うと、メモリチップをまるで高層ビルのように積み上げ、小さい面積で大容量を実現する技術です。
今まではGPUのダイサイズが制限となってメモリ容量を増やしにくかったのですが、立体的にメモリチップを積み上げることでこの問題を解決しています。
HBM2ではHBMをさらに進化させ、通常のHBMと比べて2倍の容量、転送速度を実現しているとのこと。
これまでGPUのメモリとして使われていたGDDR5に比べると、半分以下のサイズで8倍の容量が実装できるという、GPUにとっては革新的な技術となります。
Tesla V100のリリース時期は?
このように革新的なメモリ技術を搭載したTesla V100ですが、実際には2018年に製品化される見通しのようです。
ちなみにTesla V100は業務用途がメインのため、一般のBTO用として販売されるまでにはもう少し時間がかかるかもしれませんね。
個人的に、3割以上の性能アップはほぼ確定とみているので、2017年中はハイエンドグラフィックボードの買い替えを控えるという選択肢もありかと思いますよ。
エントリーモデルでもかなりの性能をたたき出しそうですから、現行のGTX1060クラスが一体どのくらいの性能になるのか、楽しみですね。