初代Ryzen向けにリリースされたB350やX370といった「300番台」のチップセットを搭載したマザーボードは、BIOSを更新しなければ第2世代Ryzenに対応できないとされてきました。
しかし、このほどAMDが公開した情報によると、古いBIOSを搭載したPCでも第2世代Ryzenを動作させられるとのこと。自分でBIOSの更新が方には朗報かもしれません。今回はその方法を解説していきます。
300番台のマザーで第2世代Ryzenを動作させる3つの方法
厳密に言えば、「BIOSアップデートを含む方法」なのですが、それでも無料で第2世代Ryzenを動作させられるなら儲けものですよね。
その方法とは以下3つです。
- 購入店(BTOショップなど)でBIOSを更新してもらう
- マザーボードメーカーに連絡し、新BIOS適用版と交換してもらう
- AMDが発行する「Boot kit」を申請し、自分でBIOS更新を行う
1と2については、購入店を通して解決できるのではないでしょうか。大抵のBTOショップでは、事情を説明すればBIOS更新を代行してくれます。
初心者ならば1か2が最も手軽で安全でしょう。しかし、何らかの事情でこれらの手段が選択できないときは、3を実行することで第2世代Ryzenが動くようになります。
この「Boot kit」とは、簡単にいえばAMDから無料で貸し出してもらえるAPUのこと。Boot kitをCPUソケットに乗せ、マザーボードのBIOS更新を行ったあとに第2世代Ryzenを載せると動作可能になります。
APUは返却の必要がある上、申請時には「第2世代Ryzen及び300番台マザーボードの写真およびシリアルナンバーなど」が求められるため、若干手間がかかります。
しかし購入店やマザーボードメーカーのサポートを受けられない方にとっては、唯一の解決策となるでしょう。
そもそもBIOS更新は難しいのか?
正直なところ、初心者にはやや敷居が高いです。最近ではマザーボードメーカーがプリインストールしている管理ツールで、GUIからアップデートできるものもあります。詳しくは「BIOS」とは?BTOパソコン初期化時や、自作PCを組み上げた後にやらなくてはならないことの記事をご覧ください。
しかし、基本的には起動しなくなるリスクを負いつつ作業するわけです。また、マザーボードメーカーから提供されているツールなどがない場合は、旧来のMS-DOSを使ったアップデートを行うしかありません。
自分で最新版のBIOSファイルを探し出し、アップデート用フロッピーディスクを作成し、そこからBIOSを起動する…という手順ですね。
今では殆ど見かけることはありませんが、フロッピーが大活躍するわけです。この話を聞いただけでも、面倒だと感じる方は多いでしょう。実際、私もできることなら避けたい作業です。
マザーボードの買い替えも視野に入れる
AMDの第2世代Ryzenは、新チップセット「400番台」との組み合わせで真価を発揮するCPUです。面倒なBIOS更新の手間をかけるより、思い切ってプラットフォームごと新しくしてしまう、というのも良策でしょう。
AMDによると、より安くコストパフォーマンスに優れた「B450シリーズ」が市販されますから、この機会を待つというのも良いですね。古いものを無理に使い続けるより、新しい環境に移行する。ゲーミングPCならこちらのほうがお得になるかもしれません。
今はどのBTOメーカーもRyzenシリーズ搭載のゲーミングPCを販売しています。おすすめモデルは「AMD CPU「Ryzenシリーズ」搭載のおすすめゲーム用PC」の記事で紹介しています。