第2世代Ryzenがついに発売となり、Intel vs AMDのCPU戦争が白熱しています。ゲーミングPC用のCPUとして主流になりつつあった「Core i7 8700K」と、AMDの第2世代Ryzenの看板である「Ryzen 7 2700X」。
この2モデルの対決は、今後のゲーミングPC選びを左右する重要な戦いになると思います。そこで、よりゲーミングPCに適しているのはどちらなのか考えてみましょう。
シングルスレッドは8700K、マルチスレッドなら2700X
まずRyzen 7 2700XとCore i7 8700Kを、CINEBENCH R15で比較した結果を見ていきましょう。CINEBENCH R15ではマルチスレッド性能とシングルスレッド性能を別に計測可能で、それぞれの計測結果は次の通りです。
計測環境
Ryzen 7 2700X（8コア16スレッド、3.7～4.3GHz）
マザーボード：ASRock X470 Taichi
メモリ：DDR4-2933動作 16GB
GPU：MSI GEFORCE GTX 1080 TI LIGHTNING
Core i7 8700K（6コア12スレッド、3.7～4.7GHz）
マザーボード：MSI Z370 GODLIKE GAMING
メモリ：DDR4-2666動作 16GB
GPU：MSI GEFORCE GTX 1080 TI LIGHTNING
計測結果
シングルスレッド
Ryzen 7 2700X：175
Core i7 8700K：205
マルチスレッド
Ryzen 7 2700X：1779
Core i7 8700K：1413
これまでIntelはシングルスレッド、AMDはマルチスレッドに強いという傾向がありましたが、今回もこの傾向に変わりは無いようですね。Ryzen 7 2700Xは物理コア数とスレッド数で上回ることが、そのまま性能に出ていると考えられます。
動画エンコードでは2700Xに軍配か
次に動画エンコードの時間を比較すると、以下のようになります。使用するのはTMPGEnc Video Mastering Works 6で、10分30秒の動画を4K出力します。
計測結果
処理時間（単位：秒）
Ryzen 7 2700X：2079
Core i7 8700K：2220
Ryzen 7 2700Xが約140秒高速。大差ではないもののIntelの看板CPUを下す結果になったのは大きいですね。
PCMark 10の総合性能はCore i7 8700Kが上だが…？
CPU単体ではなく、PC全体の総合性能を計測するPCMark 10では、Core i7 8700Kのほうが上という結果もあります。
計測結果（Extended Score）
Ryzen 7 2700X：7978
Core i7 8700K：8712
Ryzen 7 1800X：7215
このように一般的な用途のPC性能を計測するとCore i7 8700Kのほうがやや上です。しかし旧世代のトップであるRyzen 7 1800Xをしっかりと上回っており、その差は小さくなっています。
また、負荷が高い最新世代の環境（ハイエンドGPU+4K+DirectX 12）になるほど2者の差はなくなり、4K環境での差はほぼありません。Ryzen 7 2700Xが上回るタイトルもあるほどです。
したがって、4K環境で使用するハイエンドゲーミングPCにはRyzen 7 2700Xのほうが適しているかもしれません。一方、フルHD以下の環境ならば、まだまだ8700Kのほうが強そうです。環境や用途に応じて選択していくことをおすすめします。
