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「T付きモデル」ならファンレスゲーミングPCも可能?

夏に向けてゲーミングPCの構成を変える方は多いものです。その理由は「熱対策」。室温が高くなり、冷却能力が落ちる夏場は、ゲーミングPCの故障リスクも高まりますからね。

また、電気代対策として省電力性が注目される時期でもあります。それならばいっそのことファンレスに、という意見も聞こえてきそうです。しかし、果たしてゲーミングPCはファンレス仕様で稼働できるのでしょうか。

ハイエンドゲーミングPCでは不可能なファンレス仕様

最初にはっきりと断っておくと、ハイエンドゲーミングPCでファンレス仕様を達成するのはほぼ不可能です。

水冷にしても必ずどこかにファンが必要ですから、完全にファンを無くすことはできません。また、TDP65W以上のメニーコアCPUをOC状態で稼働させ、GTX1070以上のGPUを使い倒すような状態では、もちろんファンレスは無謀です。

したがって、ファンレス仕様を達成にするには、そもそも電圧が低く、TDPが小さいパーツを使っていることが大前提となります。ちなみに必要な時にだけファンが回転する「セミファンレス仕様」も有望ですが、これはあくまでもGPUに限定した仕様と考えるべきです。

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それでもファンレス仕様を達成したいなら?

GPUはGTX1050Ti以下、CPUは省電力性能に優れた低電圧版の「T付きモデル」を選択すべきでしょう。性能は限定的になりますが、ファンレス仕様を達成できる確率が高まります。ちょうど2018年4月にCoffee lake-s世代の省電力モデルが登場したばかりです。

Core i3~i7でTDP35WのT付きモデルが揃っています。これら低電圧版のCPUにファンレスCPUクーラー「Nofan CR-80EH」などを装着してみてはどうでしょう。

CR-80EHは、放射状に延びたヒートパイプから熱を逃がすCPUクーラーで、ファンを使用していません。TDP35WのCPUまで自然放熱が可能ですから、T付きモデルにぴったりといえます。

これにPalitの「GeForce GTX1050 Ti 4GB KalmX」を搭載すれば、CPUとGPU周りは完全なるファンレスになります。あとは放熱性能に優れたPCケースを採用できれば、ファンレス仕様のゲーミングPCが完成というわけです。

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ファンレス仕様の課題は「スペース」

ファンレス仕様のPCパーツは、その大半が巨大なヒートシンクを搭載しています。前述のCR-80EHやKalmXも、巨大なヒートシンクで放熱性能を高めていますね。

それゆえに「小型化」と両立しにくいのが難点です。特にmini-ITXサイズで構築する場合は、キューブタイプのPCケースを採用すべきでしょう。スリムタイプでは、高さや横幅の関係でファンレスパーツが搭載できなくなるからです。

また、変わり種としてはCPUの熱をヒートパイプでケースに流してしまう「DB4 Fanless Silent KL」のようなものも存在します。こういったファンレス仕様ケースをうまく使えば、ゲーミングPCでもファンレス化が可能になるはずです。