人間工学デザイン(エルゴノミクス)という言葉を聞いたことがありませんか?最近のPC周辺機器は、このエルゴノミクスの考え方を取り入れているものが増えました。
一体どんな使われ方をしていて、どのような効果があるのか、実例をもとに紹介していきます。
人間工学デザインの例
PCを長時間使用すると、人間の体には様々な負担がかかります。特に首、肩、腰、利き手、目はどんどん疲労が蓄積していきます。
蓄積した疲労は体調不良の元になり、集中力や継続力を奪ってしまうため、いかに疲労を溜めずにPCを使うかが研究されてきました。
例えば、ノートPCでの作業用に考案された「無重力姿勢」も人間工学デザインに基づいています。無重力姿勢とは、通常の机や椅子よりもやや後ろ(背中側)に傾いた状態のこと。
人間が自然に背もたれに体重をかけた姿勢、視線を保てるようなデザインになっています。極端に背中を丸めたり、ふんぞり返ったりといった姿勢にならないため、目や腰、首にかかる負担が軽いのです。
また、もっと身近な例でいうと、キーボードの傾斜やパームレストの曲線、マウスの形状なども人間工学デザインが使用されています。
10年ほど前から人間工学デザインを取り入れたキーボードやマウス、チェアなどが増え始め、今ではひとつのブランドといえるまでに成長しました。
人間工学デザインは本当に便利なのか?
結論から言うと、長時間使用になればなるほど、効果が出てきます。ただし、自分の体に合わないものを使った場合は、逆に疲労が蓄積しやすいというのが個人的な感想です。
例えばキーボードのパームレストにしても、自分のポジションや手の大きさ、指の長さなどに合わないものを使うと、邪魔で仕方ありません。
マウスも同様で、自分の「クセ」にどうしても合わないものを買ってしまうと、かえって操作が鈍く、肩やひじに力が入ります。
したがって、全てにおいて人間工学デザインが優れているというわけではなく、あくまでも自分の体に合ったものであれば効果が出る、と覚えておきましょう。
人間工学デザインを取り入れるべきポイント
ずばり、椅子とキーボードです。椅子は体全体をささえ、腰や首の疲労に直結しますし、下半身のむくみにも関係していきます。
また、キーボードはPCを使っている間中、常に稼働している部分です。腱鞘炎や肩こりの原因を取り除いてくれます。
椅子ならばハーマンミラー社の「アーロンチェア」、キーボードは各社から出ている「右手と左手が分かれているもの」がおすすめです。
どちらも不自然な体制を矯正してくれるため、体が非常に楽になります。特にキーボードは手首や肩、ひじの疲れが一気に和らいで驚きました。
ちなみに、左右分離タイプのキーボードはゲーミングPC用としてもなかなか優秀です。左右が独立していることでミスタイプが減り、動作の精密性が向上しますからね。
また、FPSゲーマー御用達の「左手用キーボード」と似たような使用感を実現できるものもあります。ぜひ自分にあったものを探してみてください。