ゲーム用PCの使い方のひとつに、動画エンコードがあります。実は3Dゲーム以上にパワーを使うのが動画エンコード。
ゲームを本格的に進めていくと、ゲーム実況動画の作成などで、エンコードを行う機会も出てくるでしょう。
そこで今回は、動画エンコードで重視すべきPCの要素を解説します。
最も重要なのはCPU
動画エンコードにおいて、通常最も重要なのはCPUです。以前はCPUがほぼ動画エンコードの効率を決定していた、と言っても過言ではありません。
また、現在でも動画エンコード、編集作業で最も重視されるのはCPUの能力です。(以前よりはやや重要度が低くなりましたが…)
動画エンコード用ソフト(動画編集ソフト)には有料・無料さまざまなものがありますが、どのソフトを使ったとしてもCPUの性能差は埋められないと考えて良いでしょう。
特にソフトウェアエンコードの場合、マルチコアの影響をモロに受けます。ちなみに、2017年9月時点で動画エンコードに最も強いCPUは、AMDの「Ryzen Threadripper 1950X」の可能性が高いです。
動作クロックを4GHzにすると、IntelのCore-i9 7900Xを凌ぐ性能を見せます。また、安価に入手できる通常のRyzen 1800XもCore i7 7700Kを凌ぐ性能を見せ、十分に高速です。
エンコード速度低下を防ぐメモリ
CPUの次に重要なのがメモリ容量です。これは速度アップというよりも、速度低下を起こさないためのパーツと考えてください。
無料動画編集ソフトなら8GB以上、有料動画編集ソフトで4K動画をエンコードしたいのであれば最低16GBは積んでおきましょう。
32GB以上積んでおくと、エンコード時にストレスを感じる機会が少なくなるはずです。64GB積めれば万全なのですが、さすがに動画エンコードのためだけにメモリにお金をかけるのは難しいですよね。
BTOパソコンでも64GBメモリを搭載したモデルは限られてきますし。そう考えると16GB以上搭載可能なモデルを検討したほうが良さそうです。
GPGPUの登場でグラフィックボードも重要度がアップ
かつて動画エンコードはCPUが処理のほぼ全てを行っていましたが、並列処理が得意なGPU(グラフィックボード)に作業を担当させることで高速なエンコードが可能になりました。
これを「GPGPU」と呼び、最近では無料の動画編集ソフトでも対応しています。例えば、「A’s Video Converter」ですね。Intelの「QSV」、NVIDIAの「NVENC」、AMDの「VCE」といったGPGPUシステムに対応していて、H.265で4K動画のエンコードができる優れもの。
ちなみにA’s Video Converterを使ってGPGPUエンコードを行う場合、グラフィックボードのランクが高くなるほど、ノイズなどが少なくなる傾向にあります。
ストレージの整備でより高速に
実はストレージを複数台、かつSSDに換装することで動画エンコードの効率はアップします。変換前と変換後のドライブを物理的に分け、なおかつSSDすると読み出し書き出しとも速度が向上し、エンコード時間が短縮されるのです。
こう考えると、エンコードはゲーム以上にPCの総合力が問われる作業だということがわかりますよね。CPU、メモリ、ストレージ、GPUの順番に適切なパーツを選んでみてください。