DellやMSIなどから次々に発表されるモンスター級の性能をもつゲーミングノートPCですが、これには「Core i9-8950HK」という聞きなれないCPUが使われています。i9の名を冠することから、ハイエンドモデルであることは何となく想像がつくものの、単体で市販されている姿は見かけませんよね。
一体どんなCPUで、どの程度の性能を持つのでしょうか?
Core i9-8950HKの概要とスペック
Intelのウルトラハイエンドシリーズとして君臨していたCore i9 ですが、これにはノートPC(モバイル)向けモデルが存在しませんでした。この「Core i9-8950HK」は、i9シリーズはつのノートPC向けモデルといえます。
- 6コア12スレッド
- 2.9GHz~4.8GHz動作
- L3キャッシュ 12MB
- TDP45W
似たようなスペック(物理6コアでTDP45W)では、Core i7-8750Hが存在していますが、動作クロックやベンチマークスコアで上回っています。
Core i9-8950HKのベンチマークスコア
早速主要なCPUとのベンチマークスコアを比較してみると、以下のようになります。
Cinebench R15 (Multi-Core)
Core i9-8950HK | 1426 |
Core i7-8750H | 1283 |
Core i7-7700HQ | 762 |
Cinebench R11.5, 64bit (Single-Core)
Core i9-8950HK | 2.52 |
Core i7-8700K | 2.48 |
Core i7-7700HQ | 1.84 |
Cinebench R11.5, 64bit (Multi-Core)
Core i7-8700 | 15.82 |
Core i9-8950HK | 15.73 |
Core i7-7700HQ | 8.02 |
このようにシングルコア性能でデスクトップ版メインストリーム最上位の「Core i7-8700K」を上回り、マルチコアでも肉薄する性能を見せています。また、これまでゲーミングノートPCの主流であったCore i7-7700HQと比べると、1.5倍から2倍近いスコアを叩き出している点も注目です。
モバイル向けCPUとしては、群を抜いた性能を持っており、もはやデスクトップ版CPUの性能をそのままに、TDPだけ下げたようなモデルと考えても良いでしょう。
Core i9-8950HK搭載のゲーミングノートPC
Core i9-8950HK搭載モデルとして、MSIからは「GT75 Titan」が、Dellからは「Alienware 17」が発表されています。特にDellのAlienware 17は最大5GHzでOC駆動させるという怪物ぶりです。
Core i9-8950HKは末尾”K”のサフィックスを持つ倍率ロックフリーモデルですから、確かにOCには最適です。しかし5GHz運用は冷却面が対策が必須であり、ノートPCでは驚異的といえますね。
いずれにしてもCore i9-8950HKを含むIntelのノートPC向けCPU「Coffee Lake-H」は、今後勢いを増してきそうです。ドスパラでもCore i7-8750H搭載のゲーミングPC(ガレリア GCFシリーズ)がラインナップされていますからね。