ゲーミングPCでも出来るだけ静かなことに越したことはありませんよね。あえて爆音PCを好む方は、ほとんどいないはずです。
しかしゲームの快適さを追求するほど、静穏化は難しくなってきます。そこで注目したいのが、2017年時点でほぼ唯一といって良い、ミドルレンジのファンレスグラフィックボード「GTX1050Ti KalmX」です。
巨大なヒートシンクがカッコいい!「GTX 1050 Ti KalmX」
ファンレスグラフィックボードと言えば、巨大なヒートシンクでボード全体を覆ってしまうタイプが主流です。しかし、最近は「セミファンレス」という負荷に応じてファンの回転数を調節するモデルが増え、完全なファンレスモデルは減ってきています。
また、ファンレスモデルのほとんどが「エントリー・ローエンド向け」に集中しており、実際のゲームで威力を発揮するミドルレンジ以上のモデルはなかなか見つけられません。
しかし、Palit社のファンレスVGAシリーズ「KalmX」は、巨大かつクールなヒートシンクでGTX1050Tiの性能を発揮しつつ、十分な冷却性能を確保することに成功しています。
現状、ファンレスグラフィックボードの中では最高の性能を誇る製品です。
ファンレスモデルはエアーフローの確保が重要
ファンレスなのにエアーフロー?と感じるかもしれませんが、熱が電動したヒートシンクを効率よく冷やすためには、PCケース内部のエアーフローがとても大切です。
ファンレスは厳密にいえば「パーツ自体にファンは無いが、周辺のエアーフローを利用して排熱する」仕組みと理解しておきましょう。
そのため、ケース全面から背面へとつながるエアーフローなどが非常に重要です。このエアーフローが確立されていないと、ファンレスモデルの特性上、熱暴走を起こす可能性があります。
ヒートシンクの巨大さに注意すればベストバイのひとつ
「GTX 1050 Ti KalmX」は、肉厚で巨大なヒートシンクのために、2スロット占有型です。また、ヒートシンク自体がボードからはみ出しているため、周辺のパーツ(ケーブルやMVNe接続のSSDなど)と干渉しないように注意しましょう。
奥行きはまず心配ないといえますが、問題はやはり厚さと幅でしょうか。ミドルレンジクラスといえども、ハイエンドグラフィックボード並みのスペースを必要とします。
しかし、こういったスペースの問題さえクリアできれば、静穏かつ快適なゲームPC構築のためには、ベストバイのひとつです。GTX750Tiと比較してもしっかり4割増し近いスコアをたたき出しているため、ファンレスといっても性能になんら不安はありません。
ヒートシンクのメカニカル感と鉄っぽさが男心をくすぐり、所有欲を満たしてくれるPCパーツといえそうですね。