最近発売されたマザーボードにはM.2スロットが用意され、M.2対応SSDを導入している方も増えているかと思います。「ゲーム用PCのストレージ(SSD、HDD)の選び方」でもSSDの重要性を解説しました。
M.2対応SSDの中でもNVMe対応SSDは、一般的な2.5インチSSDに比べて速度が早いのですが、高速かつ本体の小ささから冷却がおいつかず、非常に高い温度になってしまうことがあります。
そのままでは熱暴走でSSDが壊れてしまうので、速度を落として発熱を抑え、SSDが破損しないような処理「サーマルスロットリング」が発生します。高速なSSDなのに速度が遅くなっては導入する意味があまり無いので、このサーマルスロットリングを起こさないようにしましょう。
ヒートシンクを装着して解消
発熱元はSSDの動作を処理するコントローラーチップなので、コントローラーチップにヒートシンクを装着して冷却させる方法があります。ainexの「YH-3000Aシリーズ」といったヒートシンクをコントローラーチップに装着してSSDの冷却をします。
この方法だとシンプルかつ安価に発熱を抑えることができるでしょう。ヒートシンクを装着するときの注意点として、ヒートシンク装着には高さ30mm~40mmのスペースが必要になるので、他のパーツと干渉して物理的にヒートシンクを装着できない可能性もあります。
また、ケース内のエアフローが悪かったり、PCケース内部の温度そのものが高かったりするとヒートシンクの冷却が出来ないので、ヒートシンクの効果が薄くなることがあります。
PCI Express変換カードを使う
もしPCI-Eスロットが空いているなら、PCI Express変換カードを使ったほうが手っ取り早く冷却できるでしょう。玄人志向の「M.2用 PCIe x4 変換ボード」は、M.2対応SSDをPCI-Eスロットで使えるようにする変換カードです。さらに冷却用の小型FANも付属しているので、冷却がおいつかないということはまず起こらないでしょう。
PCI Express変換カードとヒートシンクの併用が確実
ケース内の温度やエアフローをしっかり管理しているなら、ヒートシンクだけでも十分な冷却は得られるでしょう。もしヒートシンクにするかPCI Express変換カードで迷う場合、PCI-Eスロットが空いているならPCI Express変換カードを使ったほうが確実でしょう。
ただ、小型FANの騒音が気になるかもしれませんので、PCI Express変換カードにSSDを装着し、その上にヒートシンクを装着すれば万全といえるでしょう。
サーマルスロットリングの発生は処理速度の低下だけではなく、SSDの寿命を縮める可能性もあるので十分な対処が必要と言えるでしょう。